もはやニッカポッカは着用禁止⁉︎ 最近の鳶職はオシャレな平ズボンが定番です!

宮城県仙台市を拠点とし、東北6県で戸建て住宅やマンション、ビル、店舗などの足場工事を手がけている株式会社ウェッジです。


鳶職人といえば、股下がダボっとしたニッカポッカが代名詞。最近ではファッションとして履いている人も増え、ひと昔前に比べて、身近なものになりました。


ただし鳶が実際に働く現場では、ちょっと事情が異なります。

ファッションでニッカポッカがもてはやされるのは、ふつうなら着ないものを珍しがっているからであって、これが仕事となるとまた別の話。

現場によってはニッカポッカを禁止しているところもあるのです。


なぜ鳶の定番はニッカポッカだったのか? そして今、若い鳶職人を中心に好まれるスタイルとは? 今回は足場鳶のファッションについてご紹介します。




■定番の鳶のユニフォーム、ニッカポッカの歴史とは?



ニッカポッカは丈がひざ下まであり、とてもゆったりとしたつくりのズボン。建築現場の定番ユニフォームとして、見たことがある方も多いことかと思います。

語源は英語の「Knickerbockers(ニッカボッカーズ)」で、ニッカポッカという呼び方は、これを日本風に略したものです。


衣服としての起源は、アメリカへ移民として渡航したオランダ人が履いていた半ズボン「ブリーチズ」まで遡ります。主に子どもが履くものでしたが、乗馬やゴルフなどのスポーツウェアとしてアメリカで定着し、ニッカボッカーズと呼ばれるようになりました。


日本で普及するようになったのは意外と古く、120年以上も前の1900年頃と言われています。欧米の服飾文化の一環として輸入され、スポーツウェアとして着用されていましたが、丈夫で大量生産が可能なことから軍服として展開されるようになります。

やがてお祭りの場などでも使われ始め、丈夫さや動きやすさから、建築現場でも普及したというのが歴史です。




■なぜニッカポッカは鳶の作業着として定着したの?



もともとはオランダの子供服だったというニッカポッカ、実は日本の鳶職人にはぴったりでした。


浮世絵などで鳶が描かれた作品では、スパッツのようなぴったりとした黒い股引に足袋、そして自分が所属する組や屋号が背中に入った法被(はっぴ)を羽織っていました。

以前のブログで足場鳶の歴史をご紹介しましたが(https://www.wedge-inc.jp/blog/category2/151025)、鳶が火事で火消しを行う時は「火事羽織」というリバーシブルの羽織を着ていたそう。裏地は派手な模様で仕立てられ、無事に消火作業を終えたら羽織を裏返して心意気を示したということですが、いかに鳶は粋な存在であったかうかがいしれます。


さて、ニッカポッカは古典的な鳶の装束とはまったく異なりますが、普及には理由があります。


第一に、ダボダボなので足の曲げ伸ばしがラクで動きやすいことが挙げられます。一般的なズボンでは伸縮性に優れた素材でないと、膝の曲げ伸ばしがしにくく、しなやかな動きを求められる高所作業では不利になってしまいます。


ダボダボな構造にはバランスを取りやすいメリットも。よく高所で綱渡りをする時、バランスを保つために長い棒をもつことがありますが、あの棒の役割を幅広のニッカポッカが担うのです。足場鳶は高所で足場を組み立て、重量物も運ぶのでバランスを欠いてしまうのは致命的。独特のシルエットのニッカポッカですが、実は鳶のためにぴったりの服なのです。


さらにゆるいシルエットは、風や現場にある突起を察知したりするのに役立ちます。

高所作業では風の強さや向きを読むことが求められますが、ニッカポッカはそのダボダボのたなびき具合で風を感じることができるのです。下でクレーンを操作する職人にとっても同様で、高所にいる足場鳶のニッカポッカの風の受け具合から、最適なクレーンの操縦方法や玉掛け方法を検討することもできるのです。


そして建築現場にはさまざまなところに突起や出っ張りがありますが、ニッカポッカなら足をぶつける前に、ふわりと布地が触れることで、危険を察知してケガを防ぐことができるのです。特に入り組んだ場所や大勢が働く現場では、センサーのように機能してくれますよ。




■足元にも注目! 鳶職人が履く「鳶足袋」とは?



一方で、足元もチェックしてみましょう。

鳶職人は高所作業の際、「鳶足袋」(とびたび)という地下足袋(じかたび)を履いています。もちろん江戸時代からはアップデートされており、足底やつま先などは丈夫なつくりになった現代仕様です。


一般的な地下足袋とは異なり、足袋の「また」となる親指の付け根が厚く盛り上げられているため、足をおろした時に親指の付け根が支点となって、安定して歩くことができます。土踏まずの部分も厚く、足が接地した時も衝撃を受けにくいのも特徴です。


足底はやわらかいゴム製で、細かく深い滑り止めが刻まれています。柔らかくて足底の感覚が掴みやすく、裸足に近い感覚で動くことができるので高所では便利。さらにぴったりと足にフィットする構造なので、靴がゆるゆるで足元が心もとない、という心配もありません。


通気性にも優れており、長時間の作業でも快適なのもメリットの一つ。足場鳶は全身を使って作業するので汗をかいたり、靴がホコリや土にまみれたりするものですが、鳶足袋は水でザブザブと丸洗いができて衛生的です。




■ニッカポッカ+鳶足袋禁止の現場が増えてきています!


このように長年にわたって鳶職人に愛用されてきたニッカポッカと鳶足袋ですが、最近では着用禁止の現場も増えています。


その理由は二つ、安全性とイメージという点です。


前回のブログ(https://www.wedge-inc.jp/blog/category2/154827)でもご紹介したように、今は国をあげて建築現場の安全性向上に取り組んでいる時期。

ニッカポッカのメリットとみなされていたダボっとしたたるみは、障害物に引っかかって足場から転落してしまう恐れがある、という声も上がるようになりました。


新規格の「墜落制止用器具」のように法律として定められているわけではありませんが、元請けの大手企業などが中心となって、自発的に禁止する動きが出てきたのは事実です。


もう一つの理由は、建設業のイメージアップ。

ニッカポッカは建設業の代名詞だけあって、キツくて大変、そして怖くて腕っ節の強い人がかかわる仕事……という連想を呼んでしまうのを懸念する向きも。

このように実用性とイメージの面から、ニッカポッカと鳶足袋を禁止する動きが見られるようになったのです。




■最近の主流は平ズボンと安全靴! まずは平ズボンのメリットをご紹介



代わりに今の主流になっているのが、平ズボンと安全靴です。

ニッカポッカとは違い、いかにも肉体労働、というイメージをもたらさないため、現場の鳶職人たちからも好評です。


実用性や安全性の面でも評価が高く、ゆったりしたデザインで障害物に引っ掛かってしまう恐れがあるニッカポッカに対し、平ズボンはすっきりと身体にフィット。転倒の心配を格段に減らせます。


動きやすさについてですが、最近の平ズボンはストレッチ性がある素材が主流なので、スムーズな足運びで作業ができます。加えて静電気が起こりにくかったり、熱に強かったり、蒸れにくいなどさまざまな機能も。作業中の快適さが担保されているのは、現代のテクノロジーの恩恵ですね。


そして何より、見た目のカッコよさも支持を集める理由の一つです。

最近ではジーンズ・タイプなどさまざまなデザインが登場しているので、ニッカポッカと異なり、私服に近いスタイルで働けるのも好評です。

ニッカポッカを根強く支持する層もいますが、若い世代にとってはちょっと古めかしく見えることも。仕事をするならお仕着せではなく、やっぱり自分が気に入っているファッションのほうがいいですよね。




■しっかりと足をガード! 足元の守護神・安全靴



ニッカポッカと同じく鳶職人の代名詞とも言える鳶足袋ですが、こちらも今は安全靴が主流になってきます。

鳶足袋は柔軟性があり高所で作業するのにぴったりですが、ソフトな分、万が一の場合のケガに弱いというデメリットも。その点、安全靴は何より頑丈で足を守ってくれる存在です。


安全靴は足の甲からつま先にかけて鉄板などでガードをした靴で、高所はもちろん、重量物を扱う現場で広く使われています。デザインはさまざまですが、足首をきちんとカバーするショートブーツタイプが主流。

鉄板が入っているからといって、足元が重くて歩きにくいということはなく、強化プラスチック製の軽いタイプも登場しており、大手ゼネコンの作業員はスタンダードで履いています。


高所作業では足場となる鋼管を扱うことはもちろん、スパナやハンマーなどの工具に取り扱います。こうしたものをうっかり落として足に当たったりすると、運が悪ければ骨折することも。布製の足袋なら直撃してしまいますが、安全靴ならケガを予防してくれる効果が期待できます。つま先をぶつけてしまった時でも、しっかり足先をガードしてくれますよ。


鳶足袋に比べるとやわらかなフィット感では劣りますが、熱を伝えにくい点では安全靴に軍配があがります。というのも足場は夏の暑さや冬の冷えを帯びやすく、鳶足袋ではその熱や寒さがダイレクトに伝わります。安全靴なら、気温の影響で不快になった足元に煩わされることなく作業に集中でき、結果として安全性も高くなるのです。




■足場鳶おすすめのブランドをご紹介!


作業着にもさまざまなブランドがあり、各社で特徴があります。オーダーメードも可能ですが、まずは定番のブランドをご紹介しましょう。


・寅壱

シェアが高く、作業着のアルマーニとも呼ばれるブランド。平ズボンは無地のジーンズタイプからペイズリー柄、迷彩模様まで幅広いラインナップで、リーフレザーを加工したストレッチデニムもありますよ。定番の紺色やカーキだけでなく、白やバーガンディなど、普段着と見紛うカラーがそろっているのも魅力です。


・Jawin(ジャウィン)

元プロ野球選手の新庄剛志さんがメインモデルをつとめる人気ブランドで、コンセプトは「機能性とファッション性を兼ね備えたカジュアルワークウェア」。しゃれたデザインと機能性の高さで人気を博しています。

ボタンやファスナーなど細部にもこだわり、高い伸縮性や見映えのよい生地、スリムなシルエットが評価されています。


・BURTLE(バートル)

作業着とは思えないスタイリッシュなデザインが特徴で、機能性や着心地も両立。女性からのニーズも高いブランドです。

丈夫で洗濯にも強く、帯電防止性やストレッチ性、通気性に富むなど快適な着用感を追求。カラーバリエーションも豊富で、夏用に涼しげなパステルカラーを選ぶこともできます。




■ウェッジでは足場施工スタッフを募集中! 未経験者も経験者も大歓迎です



このように足場鳶の作業着は、時代の流れに即して大きく変化しています。

宮城県仙台市の株式会社ウェッジでは、安全性とデザイン性を鑑みて、制服はオリジナルの作業服を無料で貸与しています。平ズボン+安全靴なので、若いスタッフにも好評で、作業中の安全性をしっかりとサポートしてくれます。仕事に慣れてきたら、好きなスタイルの平ズボンの着用も可能ですよ。


現在、ウェッジでは業績好調につき足場施工スタッフを募集中!

新しいことにチャレンジしたいとお考えの未経験者の方、将来的な独立をお考えの方も大歓迎です。もちろん、経験者の方は優遇します!

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